今回は少し趣向を変えて、歯医者の裏話でも。
裏話と言ってもゴシップネタに溢れたものでも、なんでもありませんが。
歯学部生の過ごし方(教養編)
歯医者のなる為には、つまり日本の歯科医師免許の取るためには、まず歯学部歯学科に入学する必要があります。それが最初の1歩です。
調べてみますと、国公立大が全国に12校。私立大学が15校あるそうです。(https://ja.wikipedia.org/wiki/歯科大学)
大学は基本的に6年間です。6年の間、ずーっと歯学に関することだけを勉強するのではなく、一般教養を勉強する時期と歯学の勉強をしていく時期に分かれています。医学科もある大学では医学部の学生と一緒に授業を受けることもあります。
自分の母校である東京医科歯科大学では最初の1・2年目に千葉県の市川にある教養キャンパスで医学部の学生と共に生物や英語、統計などの勉強をします。3年生以降に勉強していく医学、歯学の為の基礎固めのような時期です。医学部の学生と共に過ごすので、その後も連絡を取り合い、情報交換ができるようになります。
教養キャンパスにはグランドもプールもあり、カリキュラムの中に体育の時間もあり、みんなで野球やサッカーもします。ここら辺はまだ高校生の延長の雰囲気もあります。
このころはまだまだ、歯に対する特別な知識まだまだありませんし、みんなで良く飲んで遊んで、学生生活を謳歌している時期です。
歯学部生の過ごし方(学部編)
学部生になると、ここから徐々に人体、歯にフォーカスを当てた授業内容になっていきます。校舎も歯学部付属病院のある御茶ノ水に移動してきます。
人体の構造を学ぶ授業や人体解剖から始まり、口の模型を使っての実習、そして6年生になると実際の患者さんの口の中を大学の指導医のチェックの元での診療が始まっていきます。この6年生の段階ではまだ歯科医師免許は持っていません。
通常、歯科医師免許を持っていない人間が他人の歯を削ったり、抜いたりすることは傷害罪にあたりますが、歯学部の6年生に与えられた特権です。
6年生の間に、多くの診療を経験しながら夏の終わり頃から2月頃にある歯科医師国家試験の勉強を始めます。この国家試験の為の勉強を始める時期は各大学でもそれぞれですし、各大学の中の学生も人それぞれです。
スタートが遅くなればなるほど、それ相応の濃密な勉強期間になります。
歯医者のヒヨコ。
国家試験に合格すれば晴れて歯科医師免許を与えられます。歯科医師免許を得た後に、すぐに一般の歯科医院に勤務するわけではなく、通常は厚労省から認められた大学病院や歯科医院で研修医として最低1年間勤務することになります。
研修医の時期にようやく歯科の業界が垣間見えるようになり、他大学出身の研修医との交流も生まれ歯科に対する視野が一気に広がる時期です。
治療をするにしても、自分の実力と理想のギャップに悩んだり、同期がやっている治療内容と自分の治療内容の違いに焦りを感じたり、まさに発展途上の時期です。
またこの時期に研修医が終わってからの進路を決めていきます。大学に残ってさらに研鑽を積んでいくのか、あるい一般の歯科医院に勤務して実力を上げていくのか。
まさにヒヨコが飛び立っていく時期です。