二十歳くらいになってくると、なにやら一番奥のほうで頭を出してくる歯が親知らず。
自分の身近な人が、親知らずを抜いて顔が腫らしているのを見て恐怖を感じた方もいるかと思います。
今回は親知らずが痛みだす原因、どんな具合に抜くのか、について。
親知らずはなんで痛くなるの?
口の中で、痛みを起こす原因のほとんどは口の中の細菌です。
細菌が歯の周りにこびりついていると、虫歯になるか、歯肉の炎症を起こしてくるわけですが、
親知らずが痛みだす原因も御多聞に漏れず、口の中の細菌が原因となっています。
現代人は顎の大きさが小さくなっている傾向があるため、親知らずが完全に出てくる事は少なく、一つ手前の歯にぶつかって出てくるのが途中で止まった状態の方は大変多いです。
中途半端に出ている親知らずの周辺は非常に汚れやすく、歯肉の炎症が起きたり、親知らず自体に虫歯が出来て、痛みを感じ始めるのです。
横に倒れている親知らずが、手前の歯を押して痛みが出ている訳ではなく、細菌が主な原因なのです。
また、親知らずがちゃんと出てきていても、痛みだすことが多いです。これは親知らずの生えている箇所が口の一番奥にあり、磨くのが非常に難しい為です。
細菌が原因ですので、親知らずが横に倒れていようが、どんなに奥まった位置に生えていようが、細菌が溜らないように良く歯ブラシが出来ていれば痛みも出てきませんし、抜く必要もありません。
ただ実際の患者さんの口の中を拝見していて、親知らずまで完璧に磨けている方は、ほとんどいらっしゃらいのが現実です。
親知らずを含めた32本の歯を完璧に磨きましょう。というのは現実問題無理なようです。
抜歯はどんな具合に行われるの?
親知らずの周囲の歯茎の炎症が起きたり、虫歯になって急性期の痛みを感じている時には、
とりあえず抗生物質、痛み止めなどを服用すると一時的に症状は治まります。
痛みは一時的に無くなりますが、歯が中途半端に出ていて、汚れやすい状態は変わりません。
また薬を飲んだからと言って虫歯がなくなることがありませんので、痛みはまたぶり返してきます。
そこで根本的な解決としては、親知らずの抜歯となります。
実際の抜く様子は、以下の動画が非常に分かりやすので参考にして下さい。
CGですので、そこまで恐怖心は煽られないと思いますのでぜひどうぞ。
昔は、トンカチとノミで歯を砕いていたようですが、そのようなやり方はまったくしません。
やることは、
歯肉を切開して、歯肉を開いて、骨を確認します。
骨が確認できたら、親知らずの周囲の骨を削って、
隠れている親不知がしっかりと見えるようにします。
親知らずを分割して、頭だけを取り出し、残っている根っこも取り除く。
めでたく取り除けたら、開いた歯肉を糸で縫ってお終いです。
術前に麻酔をたっぷりとしてますので、治療中は痛みは感じることはほとんどありません。
麻酔の効きが悪いようでしたら治療中に仰ってくだされば麻酔の追加をします。
治療をする上で大事なことは視野の確保です。良く見えるようにする。
その為には、患者さんには大きく口を開け続けてもらう必要があります。
その為、顎が疲れたり、大きく口を開けることによって唇が痛かったりといったことがあります。
抜いた後はどうなるの?
御茶ノ水 杏雲ビル歯科では、通常では次の日には消毒に来て頂いています。消毒のついでに、神経麻痺の有無や腫れの状況、出血の具合などの確認をしています。
この段階で神経麻痺などの可能性があると認められたら神経ダメージを回復を即す投薬を行います。
大きな問題がなければ通常術後1週間後に抜糸を行います。翌日の消毒、抜糸ともに通常は短時間で終わりますし、抜糸時に麻酔などは必要ありません。
さて、抜糸時の1週間で抜いたところの穴は塞がっているかと言うと、まったく穴は塞がっていません。穴に関しては、完全に塞がるまではおおよそ1ヶ月くらいかかります。
またケースによっては長引く痛みが発生することがあります。
ドライソケットと呼ばる状況で、長い方ですと1ヶ月くらい痛みに苦しむことがあります。ドライソケットの発生の原因がはっきりとわかっておらず、非常にスムーズに抜歯が完了したケースでもドライソケットが発生して痛みが長引くことがありますので、どうか施術した担当歯科医師を恨まないようにお願いします。。
痛みが続く時には、ひたすら痛み止めの服用が基本となります。
この長引く痛み、みなさんとても不安になりますが、神経麻痺とはことなり、必ず消退しますでの心穏やかにして時間が経つのを待ちましょう。