まずは根管治療の内容をより分かりやすく。
前回の記事で、神経の治療の説明をしましたが、竹輪とキュウリではよく分からん!との声が当方まで届きましたので、理解しやすい動画を見つけてきました。下に貼り付けておきますので、参考にしてください。
動画と共に、簡単に説明をすると以下のようになります。
1:細菌に感染してしまった神経を取り除く。
2:神経を取り除いた後の管(根管)を綺麗な状態する。
3:綺麗になった根管に樹脂を緊密に詰める。
治療の内容自体は非常にシンプルです。シンプルだけど・・・難しくて大変です。
根管治療の目的
私たち歯科医師が歯の神経の管(根管)を綺麗にする治療のことを、『神経の治療』、『根の治療』など様々な表現することが、患者さんに誤解を与える原因になっていると思います。
そこで本ブログでは根管治療に統一します。根管とは歯の中に走っている神経が入っていた管のことです。
根管治療の目的は、根管内に入り込んでしまった細菌の数をできる限り少なくすること。
根管内に細菌が再度、繁殖しないように、綺麗になった根管内に樹脂を緊密に充填すること。
その結果、歯の周囲の骨への炎症をなくすことです。
目では確認できないほど小さな細菌によって汚染されてしまった、直に見ることができない根管内を綺麗な状態にし、樹脂を緊密に詰めることが根管治療の成功に不可欠です。
見えない尽くし故に、根管治療は難しく、治療後に再び根管内に細菌が繁殖して、骨への炎症が再発してしまうことがあります。
根管治療に回数がかかる理由
まず根管治療にかかる回数は、根管の数に依存しています。
例えば、前歯であれば通常、神経の数は1本であるのに対して、奥歯だと3本または4本の神経が走っています。
そのため、前歯であれば比較的少ない回数で根管治療が終了になりますが、奥歯の場合は、前歯の倍くらいの回数がかかることが多いです。
また、奥歯の根管治療は口の奥の方にあり、単純に治療がしづらいため、治療に時間がかかることが多いです。
また根管は単純な1本道でなく、網目のように複雑になっていることもあり、根管内に潜んでいる細菌を取り除くのに回数がかかってしまうことがあります。
根管の形態は患者さん個々で異なるため、根管治療のスタートの段階で一概にあと4回で終わります!など具体的にお伝えできない現状もあります。
このように、治療の回数が不確定で治療が進んでいるのかどうか分かりづらい根管治療ですが、根管治療を途中で中断すると仮の蓋が外れて虫歯がかなり進行することがあり、そのまま抜歯に至るケースはよく見られます。
我々歯科医師も、頑張って根管内の細菌を取り除こうと努力してますので、一度根管治療が始まったら患者さんの協力が根管治療の成功には不可欠です。
根管治療の一回の治療時間は?
御茶ノ水 杏雲ビル歯科では、各担当医によって考え方は異なりますが、30分から60分の治療時間を確保して根管治療を行なっております。根管治療の際には、通常麻酔した上で、ラバーダム防湿をした上で治療を行なって行きます。あまりにも短い治療時間ですと、仮の蓋をとってちょっと洗浄しただけで治療の終了時間が来てしまい、無駄に治療回数が増えてしまうので、しっかりと治療が進められるだけの治療時間を確保して治療にあたっています。