今回は、新しい拡大鏡が届いたので、歯科においての『ミル』ことについて。
まずは拡大鏡について。
今回、新しく使い始めた拡大鏡はドイツの光学メーカー、カールツァイスの拡大鏡です。
拡大鏡とは下の写真のように、診療しながら治療部位を虫メガネで観察する時と同じ様に拡大して見ることができる道具です。
いろいなメーカーから拡大鏡は出ていますが、強拡大になるほど、つまりより細かいところを大きく見ようとするとレンズの特性上、視野が暗くなるため専用のライトが必須になるのですが、カールツァイスのレンズは専用ライトなしでも十分明るいのが特徴です。
拡大鏡にはメガネタイプとヘッドマウントタイプの二種類あるのですが、メガネタイプは長時間つけていると、耳や鼻あたりに負担がかかって煩わしいので、少し威圧感がありますがヘッドマウントタイプにしました。
つける人が付ければかっこいいヘッドマウントタイプですが。
自分が装着している姿はなんだか、なんだか。
どんな風に見えてる?
症例写真に提示している様に見える感じでしょうか・・言葉で表現するのが難しいのですが。
実際の診療で使用していて気がつくのが、
・虫歯の象牙質の粗糙感(ざらざらな感じ)
・歯面の乾燥状態
・歯肉の下に隠れている歯石
・詰め物を入れる為に歯の形を整えて部位の状態
・取り残したセメント
・プラークの付着状態
こういったものが、裸眼の時と比較して、容易に情報として目に飛び込んできます。
いろいろな『見る』があります。
拡大鏡を使用することで、一つの歯をより細かく見ることができます。その一方で、一つの歯だけに集中して注目して治療を進めてしまうと、周囲の歯の状況を見落としてしまい治療が上手く行かなくなることがあります。
また拡大鏡を使用したからといって、歯を支えている骨の状態がわかるわけではありません。レントゲン写真を撮影して骨の状態をミルことも非常に大切です。
また口の中の状態を型取りをして、治療方針を決めていくことも大切です。現状の状態を模型にして色々な角度から観察する、見る。
木を見て森を見ずの状態になってはいけません。