やってるかどうかの判断方法。
歯医者さんで歯ぎしりをしていませんか?と言われて、身に覚えのない指摘をされたと感じた方は多くいると思います。
多くの歯科医師は歯の表面の削れ具合や、修復物が壊れる頻度などから、就寝時の『歯ぎしり』や『くいしばり』を疑うのですが、他の人と歯の形を比べたことがなく、口腔内をじっくり見れない一般の患者さんが自己診断する方法があるのでしょうか?
簡単な方法がいくつかありますので、御紹介します。
まずは、鏡でご自身の歯を見ていただき、下の顎を横にスライドさせて噛み合わせた時に、犬歯あたりの歯の擦り切れ方が上下でぴったり合う方は、就寝時に『歯ぎしり』をしている可能性が高いです。
そして睡眠同伴者から『夜、ギリギリ音がしてたよ。』と指摘されたことがある方は歯ぎしりをしている可能性がほぼ100%です。
また最近ではスマートフォンに取り込める、夜間の寝言や歯ぎしりの音を自動録音する機能を持ったアプリがあるので使用してみるのも良いかもしれません。
また朝起きた時に、顎の筋肉が疲れている方は就寝時に『くいしばり』をしている可能性が高いです。
『くいしばり』は『歯ぎしり』と違い音が出ないことがあるので、しているかどうかの判断が難しくなります。
『歯ぎしり』『くいしばり』をしているのが分かったところで、その原因はなんでしょうか?
普通にカチンと噛んだ時。 |
下あごを横にスライドさせて嚙んだ時。 |
就寝時の『歯ぎしり』と『くいしばり』の原因は?
就寝中に自分の知らない間にキリキリ、ギリギリやっている歯ぎしり。
かつては、噛み合わせが悪いところがあり、それを修正するために『歯ぎしり』『くいしばり』をするなどの説がありましたが、その原因が多くの研究ではっきりとしてきました。
歯ぎしりを引き起こしてしまう原因としては次の二つが有力視されています。
『睡眠の質の低さ』、そして『遺伝』です。
研究の結果、睡眠が浅くなると就寝時の歯ぎしりが誘発されることがわかってきました。
睡眠の質を下げてしまうものとしては、身近なものとしては、コーヒーなどに含まれるカフェイン。タバコに含まれるニコチン。深酒。そして、過剰なストレスです。これらが原因となって睡眠の質が低下して、『歯ぎしり』『くいしばり』を誘発してしまうのです。
そして、歯ぎしりを自覚している方の50%で家族に歯ぎしりをしている人がいると答えており、遺伝的要因も強く疑われるという研究の結果が出ています。
歯ぎしりすることの問題点と対処法。
『歯ぎしり』『くいしばり』の問題点は、歯に異常な荷重がかかってしまうことにより、歯本体や、歯に入れた修復部が破損してしまうことです。
また口の周りの筋肉や顎の関節などに負担がかかり、痛みにつながったりすることもあります。
単純にやっていて良いことはなく、悪影響しかありません。
かつては、歯ぎしりの原因が噛み合わせが悪いことに起因しているとして、対処法として、噛み合わせの調整などが行われていましが、最近の一般的な流れとしてはこのような咬合治療は行われないです
対処法として、まず簡単にできることは睡眠の質を高めることです。夜にコーヒーを飲むのをやめたり、深酒をやめたり、できるだけリラックスできる状況で眠りにつくなどの生活習慣の改善を行います。
生活習慣を改善しても『歯ぎしり』『くいしばり』が止まらないとなると、遺伝的要因が原因になっている可能性があえります。そうなると現段階ではどうしようもないです。次善の策を立てましょう。
そこで就寝中に歯の保護をするためにマウスピースを作り、それは寝る時につかって貰います。
このマウスピースの目的は『歯ぎしり』、『くいしばり』を止める事が目的ではなく、あくまでも歯や顎の関節、筋肉への負担を軽減することにより悪影響を軽減する事が目的となります。
気になる方はぜひ一度、歯科医院にご相談を。
マウスピースってどんなもの?
通常上顎の歯列装着し、馬蹄形をしています。口腔内の診査、虫歯の治療が完了した後に、上下の歯の型取りを行なって、次の回にはマウスピースが出来上がってきます。
それをお口の中に入れて、マウスピースの一部の削除調整を行なって、お渡しとなります。
硬い樹脂で作られたマウスピースと比較的柔らかいシリコンの材料で作られたマウスピースがあります。
御茶ノ水杏雲ビル歯科では、上顎に装着したマウスピースと下顎の歯列全体が均一に接触できるように咬合調整が可能な硬い樹脂でマウスピースを作製しています。
柔らかいシリコン素材のマウスピースでは細かな咬合調整がしにくく、硬い素材のマウスピースを推奨しています。
ただし患者さんの中には柔らかい、シリコン素材のマウスピースに慣れている方がおり、そちらを希望される場合には、シリコン素材のマウスピースを作製することもありますので、担当医にご気軽にご相談ください。