寒くなってくる11月くらいになると、冷たい水道水で口をゆすぐと、なんだか歯がしみることに気がつき始める患者さんが多くなってきます。
多くの患者さんは虫歯なのでは?と思って来院されますが、実際は虫歯になっていないことがよくあります。
虫歯じゃないのに歯がしみるのは何故なのか?の解説です。
寒くなって来たこの時期にしみるようになってきた方は是非参考に。
虫歯じゃないのに歯がしみる原因の一番は、歯の根元が削れてる。
実際お口の中を拝見すると、虫歯になっていないことが多く、下の写真のように歯の根元がくさび状に削れていることがよくあります。
歯が削れて、本来露出していない部位が露出してしまうと、冷たい水や歯ブラシからの刺激で痛みを感じることがあります。
この根元のくさび状の削れは虫歯が原因で削れてきたのではありません。
歯の根元が削れる原因は?
歯にかかる力が原因となって歯の根元が削れていくとされています。
歯にはどんな時に力がかかるでしょうか?一般的には食事の時、そして睡眠時の無意識の食いしばりです。
噛む力というのは個人差があります。普段の食事の時から、非常に強い力でものを噛み砕く人もいれば、そこまで強う力で食事をしている人もいます。
日常的に無意識にうちに強い力で食事をしていると当然、歯に大きな力がかかり、歯の根元が削れてしまう可能性があります。また好き好んで硬い物(せんべい、氷など)をガリガリ噛んでると歯の根元が削れてしまう可能性があります。
また就寝時の無意識の食いしばり、歯ぎしりも歯の根元が削れてしまう原因とされています。
対処方法は?どうしたらいいの?
まずは歯にかかる力の負担を軽減させるのが先決です。無駄に硬いものをガリガリ噛まない。これは生活習慣を変えるだけなので、患者さんが知識があれば即その日から対応可能なことです。
また就寝時の歯ぎしり、食いしばりが原因と考えられる場合には、就寝時マウスピースを使用することで、歯への力を軽減させることができ歯の根元の削れをくい止めることができる可能性があります。
しかし、それでも痛みを感じる時には、下の写真のように歯の根元に樹脂を詰めて痛みの軽減を図ります。
しかし、丁寧に充填をしないと、歯茎に炎症を引き起こす可能性があり、丁寧な処置が必要となります。