結局、歯磨きは大切。
前回の記事に書いたように我々現代人が普段している一般的な食生活を送る限りは、結局歯磨きは必要になります。大半の方は甘い物が大好きですし、甘党の方のお話を伺っていると、疲れた時やストレス解消に甘い物を摂る傾向にあり、なかなか生活習慣を変えるのは難しいと感じるところもあります。
小さい時から糖を多く含んだ食品に囲まれて育った私たちには、まだまだ歯ブラシによる歯面清掃は必須なのです。
その歯磨きですが、意外としっかりと教わっていない方が多いです。幼稚園や小学校で教わる機会はあるにはあるのですが、大半は左から右に頭から流れていってしまいます。自分も歯科大学の5年生になるくらいまでは歯の健康にはさほど興味がありませんでした。
歯で苦しんでいる方の状況を目の当たりにして、これは歯ブラシは大切だーとなっていくのです。
歯を守るのは、まず自分。
歯磨きの仕方を学んで実践してみたり、いろいろな種類の歯ブラシや歯磨き粉を買ったり、定期的に歯科医医院でクリーニングをしたりと、みなさんいろいろな工夫をして口の健康を高めようとします。これらいろいろな工夫をもっとも効果的にする考え方があります。それは、『自分の歯を守るのは、まず自分。』という考えです。
この考えを根底に持っているだけで、歯磨きの仕方を学んでも、確実に実践できますし、定期的な歯科医院でのクリーニングもより効果的になります。
この考え、すごく大事。
歯磨きの時間とタイミング
手のひらの汚れや、爪の間に汚れは直接目で確認できるので石鹸を使って容易に汚れを取れます。一方、背中についている汚れはなかなか落とすのは大変です。口の中の汚れも同様に、直接目で確認できないため落とすのが難しい部位の体の汚れです。
口の中は常に唾液で濡れていて、菌が繁殖するにちょうど良い温度。さらに栄養も豊富に供給される、菌にとっては天国のような環境です。さらにさらに柔らかい粘膜と硬い歯が入り混じっていて、菌が隠れやすいところもたくさんあって、清掃する側にとっては大変です。
このような部位を清掃する歯磨き自体、非常に作業効率が悪いのです。かなり当てずっぽうの作業です。虫歯、歯周病にならない程度に、菌を追い出そうとすると2、3分で綺麗になれるような部位ではありません。
いろいろ調べると歯磨きの回数は1日3回の3分以上というのが割と推奨されているようですが、時間が少し短いかなと思います。最低5分は行きたいところです。自分はテレビをみながらダラダラと舌で綺麗になったか確認しながら15分くらいはやっているかと思います。
ここで大事なことは歯に付いている菌を追い出すことで、この目的を達成でするには大半の方は最低5分くらいはかかるということです。目的を達成できるのであれば3分でも1分でも30秒でもいいのです。
感覚的には、そのような短い時間で目的を達成できる方は非常に稀だと思います。
また、食後すぐに磨いて良いのか?直後だと歯に良くないのではという情報を良く見かけますが、結論からいうと、通常の食事をしたあとであれば食後すぐで問題ないかと思います。日本小児歯科学会でも食後すぐの歯ブラシが推奨されています。
梅干し、柑橘類などの酸っぱいものを食べた直後の歯ブラシは歯の表面を削る可能性が高いので、30分ほど時間を空けて口の中が中性になってから歯磨きを開始したほうが良いようです。また嘔吐をした後も、口の中が胃酸で酸性になっているので要注意です。しっかりと時間を空けて中性になってから歯ブラシをしましょう。
次回以降、細かく歯ブラシの種類、動かし方、歯磨き粉について書いていく予定です。