歯が痛い 虫歯治療

なぜ虫歯ができるのか

あなたの虫歯はいまどの段階?

その治療方法はどんなのがある?虫歯の自己診断方法はあっていますか?

一概の虫歯と言っても、それには段階があり、それぞれの段階で適切な治療方法が存在します。

まずは、ご自身のお口のなかの虫歯がどんな状態にあり、どんな治療方法が適切であるかを知りましょう。

虫歯の原因

そもそもなぜ虫歯が発生するのでしょうか?

主な原因は以下の4つ要因が重なりあった時に虫歯が発生します。

  • 細菌
  • 歯質
  • 糖分
  • 時間

以下、それぞれについて詳細に説明いたします。

A.細菌

虫歯の原因となる細菌の数により多い人ほど虫歯になりやすといわれています。
歯ブラシをきっちり行わないと細菌も増えていきます。もともと多い人、少ない人もいます。

B.歯質

歯の質が弱いと虫歯菌が出す酸に溶かされやすいため虫歯になりやすいことがわかっています。

C.糖分

虫歯菌は糖分をもとに、酸を作り歯を溶かします。
そのため1日3回の食事以外で間食の多い人は糖分を多く摂取しているため虫歯になりやすくなります。

D.時間

糖分がお口の中に滞在している時間が長いと虫歯になりやすいと言われています。
食後に歯磨きをしなかった場合は虫歯菌が作った酸に常にさらされている状態ということです。

さてこの中で患者さんご自身でコントロール可能な要因はどれでしょうか?

C.糖分とD.時間です。

この二つだけは誰でもコントロール可能であり、食事の際に糖分を極力取らないように心がける。

そして糖分も含むものを口に入れたのであれば、徹底的な歯磨きを行う。
この二つの要素をコントロールすることで、虫歯の発生を抑えることができます。

過去に虫歯の治療をしたことがある患者さんは、今後も虫歯が発生しやすいと考えて間違いがありません。
その方は、歯質と細菌、この二つの要素が虫歯を発生しやすい状況にあるからです。

そういった患者さんはなおさら食事と歯磨きに注意を払う必要があります。

虫歯の種類別症状

1.初期虫歯

まだ歯に穴はあいていませんが、歯の表面が溶かされてツヤがなくなり、白く濁って見えたり薄い茶色になったりします。

痛みなどの自覚症状はありません。患者さん本人が気が気がつくことは稀です。

この様な虫歯は唾液が正常に働き、歯磨きがちゃんんと行われていれば、「再石灰化」が起こり、特別な治療なしで、健康な状態に戻る、あるいはその状態以上に進行して行かない可能性が高いです。

このような状態の時に焦って削る治療をしては行けません。

当院では経過観察を強く勧め、今後も定期的な検診(視診とレントゲン)で虫歯が進行していかないかを注意深くみていきます。

2.エナメル質の虫歯

歯の表面(エナメル質)の範囲に穴があいた状態です。

痛みは感じません。穴があいているということは、どんなに丁寧に歯ブラシをしいても、そこには汚れが必ず溜まりますので、虫歯が徐々に進行していきます。

唾液による『再石灰化』は期待できません。

この様な虫歯は「コンポジットレジン修復」という治療法で治すことができます。コンポジットレジンは見た目が白く、削る量は少なく、1日で治療を完了することができます。

ごく軽度であれば、麻酔を使わずでの治療が可能です。

3.象牙質まで進んだ虫歯

虫歯が歯の内部の割と深くまで広がった状態です。

虫歯の穴の入り口はまだ小さく、患者さん本人は内部への進行度合いを感じにくいです。
冷たい飲食物で痛みを感じたり、物が詰まり易くなります。

象牙質は厚みのある組織で、象牙質まで進んだ虫歯に関しては、病状ににかなりの幅があります。

象牙質にちょこっと入りこんだ虫歯から神経のギリギリまでに進んだ虫歯とかなりバラエティに富んでいます。

象牙質まで進んだ虫歯も当然、『削る治療』が治療方法になります。

いざ削り始めると患者さんが想像した以上に大きな範囲を削ることもあります。

この様な虫歯は前述の「コンポジットレジン修復」または範囲や虫歯の位置によって一部を詰める、かぶせる「インレー・アンレー修復」、歯を覆う「全部被覆冠」などの処置になります。

さらに虫歯が神経に非常に近接している場合には、神経の除去をする根管治療まで必要なことがあります。

神経を保存する治療方法もありますが、その治療方法を選択するかどうかは、患者さんとの事前の相談を大切としています。

4.神経まで進んだ虫歯

虫歯が神経まで進んでいる状態です。
歯に大きな穴が空いているか、もしくは表面の穴は必ずしも大きくなく、内部で広がっています。

神経が炎症を起こしている場合は、何もしなくても激しい痛みを感じて、就寝の妨げになることもあります。

強い痛みがある場合には、速やかに感染した神経を除去する根管治療が妥当だと考えられます。

根管治療完了後は、土台(コア)を建てて、「全部被覆冠」などの被せ物を装着して治療が完了となります。
(前歯であれば「コンポジットレジン修復」)

根管治療について

4.歯根だけ残った虫歯

自覚症状はありません。

歯の見える部分がほとんど崩壊し、歯の根っこだけ残った状態です。神経が死んで痛みを感じないことも多いです。

根管内部に細菌が繁殖し歯根先端に膿が溜まり、強い痛みが起きることもあります。

これを放置していると全身の健康を害する病巣となりえます。

この様な虫歯はまず歯を保存できるかを考えます。

歯が割れてしまっていたり、虫歯があまりに大きい場合は抜歯になることもあります。

保存できると判断した場合は「根管治療」を行い、かぶせ物を作製します。

また再度かぶせ物を作って長期間問題なく使っていけるように、その歯の部分的な矯正や歯肉の外科処置などを提案します。

大きな虫歯の時の神経の状態は、
3パターンあります。

虫歯が大きい時の、神経の状態には以下のような段階があります。

  • 神経への細菌感染は無く、
    神経は生きている状態
  • 神経への細菌感染は軽度で、
    神経は生きている状態
  • 神経への細菌感染が重度で、
    神経が完全に死んでいる状態

歯科医師は患者さんが訴える症状、そしていくつかの検査法を駆使して、
術前に神経は生きているのか死んでいるのか?
また神経への感染の度合いはどれくらいか?
を探ります。

神経は生きているのかを検査する方法

神経の生き死にを調べる方法として、歯に熱や氷そして弱い電気などの刺激を与え、神経の反応を診る方法があります。

刺激を加えても全く反応を示さない時は神経が死んでいる3の状態であると判定し、逆に反応がある際には、神経が生きている(1または2の状態)事が分かります。

また患者さんが訴える痛みの度合いも、神経の生死の判定にある程度参考になります。

日常生活で冷たいものがしみる感覚があるようでしたら、神経が生きていることが多いです。

一方で頭痛につながるレベルの痛み、痛みで眠りから覚めるレベルの痛みが出ている場合には神経は死んでしまっていることが多いです。

当院の虫歯治療

無痛治療

歯科治療で嫌なことの一つは治療中の痛みではないでしょうか。

当院ではできるだけ痛みを感じさせない治療を心がけています。お痛みが出る可能性のある処置においては基本麻酔の注射をしてから治療を開始していきます。

麻酔の注射では、刺入の際の痛みを和らげる表面麻酔、痛みを感じにくい細い注射針の使用、電動注射による注入速度のコントロールを行いできるだけ痛みの無い治療を心掛けています。

また麻酔をしていも、その効きが弱かったりして治療中に痛みを感じてしまうことがあります。

その際は、痛みを感じる旨を歯科医師に伝えて頂けたら、麻酔の追加を行います。
ご遠慮なく申し出てください。

虫歯を取り残さない

虫歯治療において、まず重要なことは虫歯菌に感染した歯質(感染歯質)を丁寧に除去することです。

感染歯質を残したまま、修復治療を行ってしまうと、虫歯の再発、しみるなどの症状の長期残存、修復物の脱離を誘発し、早期の再治療が余儀なくされます。

過不足なく感染歯質を除去するために当院で使用しているのがう蝕検知液です。

う蝕検知液を使えば、見た目で判断しにくい、感染歯質を染め出すことができます。

健全歯質はできるだけ削らない

感染歯質を徹底的に削り取ったあとに残るのが、健全残存歯質です。

健全残存歯質量が歯の寿命に大きく影響を与えます。

単純に多くの健全歯質が残っている方が、歯の寿命が長くなると考えて良いでしょう。

全く削ったことがない天然歯は最も長い寿命を期待できるということです。

一方で、虫歯となってしまい感染した部位を削った歯は、どんなに完璧な処置をしても天然歯より寿命は短くなる可能性が出てきます。

治療した歯の寿命を間がると、修復治療時にはできるだけ歯質を削らない方法を選択するのが良いでしょう。

修復方法によって、使用する材料、健全歯質を犠牲にする量、治療費用に差がありますので、治療前にしっかりと相談させていただきます。

できるだけ神経を抜かない

まだ神経が生きているとなれば、神経を残せる可能性があります。

虫歯の部位を完全に取り除いた結果、露出してきた神経に対して、神経を保護する特殊なセメントを使用して、神経の保護を図る治療方法があります。

しかし、神経がすでに死んでしまっているようでしたら、神経の死骸を取り除く治療、つまり根管治療を行なっていくことになります。

根管治療について

拡大鏡、顕微鏡を用いた治療

拡大鏡を用いて治療を行うことで、虫歯の部位を過不足なく正確に削ることが容易となります。
また詰め物などを入れるために、歯の形を削って整えますが、その際にも、正確な歯の切削が可能となります。

また神経に近接した大きな虫歯に対して、神経を保護する薬剤を使用する際には、神経の状態を確認するために、歯科用顕微鏡を使用します。

顕微鏡下で神経の毛細血管の状態を確認して神経の状態を判断します。

虫歯の予防と早期発見

虫歯になりやすい場所

  • 歯と歯の間
  • 歯が重なっている所
  • 親知らず
  • 質の悪い詰め物被せ物の中
  • 質の悪い詰め物かぶせ物の境目
  • 歯の根の部分

まず、虫歯になりやすいといころの特徴として、汚れが停滞しやすく、その汚れを歯ブラシだけでは取り除けない箇所であることが多いです。

それが上記の歯と歯の間、歯が重なっている所、親知らず、です。

また過去に治療した部位であっても、その治療の質が悪ければ、詰め物やかぶせ物の下や境目から虫歯が再発していくことは度々あります。

詰め物やかぶせ物が入っている箇所は肉眼でもレントゲン写真でも見えづらいく発見が遅れてしまいがちで要注意です。

また年を重ねると歯肉がさがり歯根が露出してくることがあります。

歯根は本来歯肉に覆われており、口の中では露出していない部位であり、エナメル質と比較して一気に虫歯が進行しやすい傾向があり、甘いものが大好きなご高齢の患者さんなどは要注意です。

自分でできる虫歯診断

お口の中を鏡で見てみてください

  • 歯の溝が黒く(茶色)なっている
  • 歯の表面がざらついている
  • 白濁してみえる

この程度の虫歯は削って治すのではなく、当院では再石灰化に期待して経過観察で様子を見ることが、ほとんどとなります。

この程度での早期発見はラッキーです。

早めにフッ素の応用などの予防処置をして病状の進行を防いでいきます。放っておくと進行してしまいます。
(レントゲン等で検査を行い現在の進行状況を確認し、診断する必要があります)

  • 穴が空いている
  • 食べ物が挟まる
  • 冷たいものがしみる
  • 詰め物がとれて黒っぽい

これくらいの虫歯は大きさなどにもよりますが、虫歯の箇所を削っての修復治療を行う必要があります。虫歯の部分を削り取り詰め物やかぶせ物で修復します。

虫歯が小さいほど削る量、通院回数、治療費用は少なくなります。

これらの症状があるようでしたら早めの受診をお勧めします。

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